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カトラリーのお手入れに熱湯は厳禁

今回はアンティークのカトラリー(フォーク、ナイフなど)をお手入れする際の注意事項についてお話したいと思います。


アンティークのカトラリーを食事などに使用した後、洗う際には中性洗剤と柔らかいスポンジで洗い、ふきんなどでしっかりと水分を拭いてあげてください。
その際、食洗機や乾燥機、熱湯などは絶対使わないでください。

なぜかというと、アンティークのカトラリーはハンドル部分とブレード部分が別のパーツになっていて、その接着に「ニカワ(膠)」と呼ばれる動物由来のコラーゲンを原料としたものが使われていることが多いからです。

ニカワは乾燥した状態ではしっかりとした強度がありますが、水分に弱く50度以上になってくると溶けてしまいます。
洗う際に食洗機や乾燥機を使うと熱くなりすぎてしまいニワカが溶け出してはみ出てしまい見た目が汚くなるだけでなく、最悪カトラリーとして使えない状態になってしまいます。

また、銀製品の汚れ(黒ずみ)を取る方法として、熱湯とアルミホイル、重曹(食塩の場合もあり)を使う方法というものがありますが、ハンドルとブレードが別のパーツになっているタイプのカトラリーには絶対に使用しないでください。

こちらは、私が昔あまりそうしたことを知らない頃にアンティークカトラリーを熱湯につけてしまったときの写真です。

こうなってしまうと、修理には専門の業者さんにお願いすることになりそれなりの金額がかかってしまいます。

また、食洗機などを利用すると食器同士が擦れ合うことで柔らかい純銀に細かいキズが付いてしまったり、銀メッキのものだとメッキが剥がれてしまう原因にもなります。
スプーンなどのハンドルとボウルが一体になっているカトラリーであれば熱湯は問題ありませんが、やはり手洗いしたほうが傷はつきにくいです。


手洗いであれば現在の食器と比べてアンティークだからといってそれほど気を使う必要はありませんが、食洗機や50度以上のお湯は使わないようにご注意ください。

カトラリーの他にも、ティーポットなどでハンドル部分に木が使われていたり、中に布や革などが貼ってあるなど、銀や鉄などの金属以外のパーツが使われている銀製品のお手入れに関しても、熱湯は使わないようにしてください。



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