英国アンティークシルバーのクリスニングギフト
投稿日: 投稿者:WATANABETAIGA
クリスニングギフトとは?
「クリスニング」とはキリスト教の入信に対して行われる洗礼の儀式のことです。
洗礼式のやりかたは国やキリスト教の会派などで異なりますが、当時の英国では両親がキリスト教徒であれば生まれて1年以内に協会で洗礼式を受けるのが一般的でした。
日本でいうと「初節句」のようなイメージになると思います。
洗礼を受けた際、その赤ちゃんの生涯の健康や成功を願って贈られるアイテムをクリスニングギフトと呼びます。
クリスニングギフトはピューター製やシルバープレート製のものもありますが、裕福な家庭では純銀製(スターリングシルバー)のものが選ばれていました。
イギリスでは洗礼式の際にスプーンを使って「お食い初め」を行う習慣があり「銀の匙をくわえて生まれる」ということわざは、裕福な家に生まれた子供を意味します。
クリスニングギフトの特徴
クリスニングギフトはシルバーカラーのものが多いです。
古くからヨーロッパでは銀には通貨としての価値があったため、子供たちの将来の経済的な安定を象徴するものとして銀貨などを贈るという習慣がありました。
また、銀には抗菌作用があることから中世ヨーロッパでペストが流行した際に、親が子供たちに銀のスプーンを吸うように勧めたことが由来になっているとも言われます。
英国のチューダー朝(1485-1603年)のころには「アポストル・スプーン」と呼ばれる使徒の姿が彫刻された銀のスプーンを贈る習慣が広まっていったようです。
19世紀のビクトリア朝後期にはクリスニングギフトが発展し、スプーンだけでなくカトラリーセットやマグカップ、ナプキンリングなど様々な種類のものが贈られるようになります。
クリスニングギフトはパーソナルな贈り物であることから、送り主や子供のイニシャル、洗礼式や誕生日の日付などが刻まれていることが多いです。
また豪華なケースに入っている物が多いのも特徴です。
クリスニングギフトの種類
1.銀食器
やはりいちばん多いのは銀のスプーンを含む食器類です。
スプーンだけでなく、ナイフとフォークがセットになったものやボウルや皿、ナプキンリング、エッグカップなどがセットになったものもあります。
2.カップ
3.その他
ガラガラ(rattle)や銀貨なども伝統的なクリスニングギフトです。
比較的新しいものだとフォトフレームやオルゴールなどもあります。
まとめ
クリスニングギフトは一生の記念になる贈り物です。
特にアンティークの裕福な家庭の子供に贈られたものは、贅を凝らした装飾がほどこされていて、シルバーアンティークの中でも特に美しいものがたくさんあります。
カトラリーやカップのサイズは大人用のディナーカトラリーやカップよりも少し小ぶりなものが多く、手の小さな日本人にはちょうどよいサイズのものが多いです。
通常のカトラリーセットは6セット以上の物が多いので、自分だけの特別なカトラリーとして探す場合はクリスニングカトラリーを探すのも良いでしょう。
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